ホントに好きで飲みすぎてしまう人、嫌だけど飲まなくてはいけない人、上品にアルコールを愛する人、今回はこれらの方々に捧げるコラムです！

まずは、よく言われていることですが、肝臓への負担を軽くすることを考えましょう。

一般的に蒸留酒（ウイスキー、ブランデー、焼酎など）は、新酒よりも熟成酒の方がまろやかでおいしい、そして悪酔いしない、と言われています。これは、体内に入ったエタノール分解速度に違いがあり、熟成酒の方が新酒よりも分解速度が速いからです。

体内の水分として真っ先に連想できるのは血液です。血液の80％は水です。

体内に入ったエタノールは、肝臓にあるエタノール脱水素酵素とアルデヒド脱水素 酵素によって約90％が酸化されて、炭酸ガスと水になります。残りは尿、呼気として 排泄されます。このエタノール酸化を行うのは肝臓です。肝臓の中に入ったエタノールは、二段階に分かれて代謝されます。

第一段階としては、エタノールからアセトアルデヒドに酸化されますが、このアセトアルデヒドは非常に毒性が強く、まさに二日酔いの原因となります。

第二段階で酢酸になりますが、この酢酸は無害で、体内 で作られた他の酢酸と一緒に炭酸ガスと水になります。分解速度の違いは、新酒と 熟成酒の水分子集団（クラスター）の構造にあるそうです。 新酒はエタノール分子と水分子がまだ不安定で、水分子自体が大きいといわれています。

それに対して熟成酒の場合は、エタノール分子を包み込む水分子が小さく 全体としてキメ細かく混ざり合っています。エタノール分子を包んでいる水分子が小さいと、 エタノール脱水素酵素は活発に働き、その結果として分解速度が速くなるのです。

このことから、水割りで飲むときに使う水、またはお酒を飲んだあとに欲しくなるコップ１杯の水にも大きな役割があると言えます。エタノールを早く分解（代謝）させてくれる水を飲むことが大切です。ミネラルウォーターよりも水分子が小さいピュアウォーターは、無味無臭（ウイスキーやブランデーの香りと味覚を損なわない）ですから、水割り用として最高ですし、お酒のあとに肝臓を応援するための水としても最適です。

【お酒をもっと美味しく飲む為に・・・】
お酒の味をまろやかにする簡単な方法です

飲む前に酒瓶を軽く揺らします。

これだけでエタノール分子と水分子がよく混ざり合うのです。ウソと思うか、努力した分だけおいしく感じるかは皆さん次第ですが、船乗りさんから聞いたお話をご紹介します。

ヨーロッパでは、船長専用の酒樽を舳先（へさき）にくくりつけて航海をしたそうです。 これは、船長の特権（？）として、「最もおいしいお酒を飲むこと」を意味しているのだそうです。何故、他の場所よりもおいしいのか、これは波によって穏やかにゆっくりと揺すられるからだそうです。

日本でも江戸時代は「富士見酒」と呼ばれるお酒に人気があったそうです。

これは、灘（神戸）、伏見（京都）などから海路を樽廻船で運ばれる途中で富士山を眺めて江戸に着くお酒のことです。

もちろん、それらの土地から作られるお酒はそのままでも十分においしいのでしょうが、さらに波に揺られて富士山を横目に旅をしてきたお酒、ということで人気があったのでしょう。